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英語に自信がないを終わりにする

Miwa’s book shelf #1 “Illuminature”

約4分

Miwa’s book shelf

今週から、シリーズ Miwa’s book shelf をお送りします。第1月曜と第3月曜の、月2回の連載です。どうぞお楽しみくださいね。

このコーナーは、Miwa の本棚から、「この本素敵!」「こんな英語の本を持ってたら友だちに自慢できる」というものをご紹介していきたいと思います。そして、ただきれいとか素敵というだけでなく、その土地の文化や考え方の理解につながるようなものを選ぶつもりです。また、読むのに時間がかかるような長編の本は、なるべく避けるようにました。

読みやすく、誰でも気軽に手にとって楽しめるような、楽しく美しい本たち。そんな英語の本をご紹介していければと思います。

まずはじめの1冊は、これ、”Illuminature”。

“Illuminature”

本 Illuminatureの表紙約30cm × 35cm という大判の、非常に美しい装丁の本です。手にとったときの重みほどよくずっしりとしていて、眺めるだけでもうっとりしてしまいます。この本、美しいだけでなく、中身も工夫が凝らされていて、見るたび発見が尽きません。つい何時間も見入ってしまいます。

表紙を開くとまず、見返しにポケットがついていて、中にはこんなレンズがついています。厚紙の枠に、赤・青・緑の3色のフィルムが張ってあるというものです。我が家のレンズは、子どもたちともう何度も何度も使っているので、こんな風にちょっとボロボロになってきてしまいました。

illuminatureの見返しについているレンズ

このレンズ、どんなふうに使うのでしょうか。まずページを開いてみましょう。すると、こんなカラフルな絵と、ある土地についての解説が書かれています。

これは、ローモンド湖のページです。でも、緻密な線できれいな色で描かれた絵ですが、なんの絵なのかはよくわかりません。

3色レンズの秘密。昼間のビジョン、植物の世界、夜の景色。

それでは、この絵を先ほどの3色レンズで1つ1つ見ていきましょう。まずはじめは赤のレンズから。

赤のレンズを通して見たilluminature

立派な角をもつ鹿、そして美しい鳥の羽が浮かび上がってきたのが見えるでしょうか。これは、ローモンド湖の周辺に、昼の光の下で見られる生き物たちです。昼のローモンド湖は、こんな動物たちが闊歩しているのです。

illuminatureの緑のレンズを通して見た景色

次に、緑のレンズです。左上に、”LOCH LOMOND” の文字が見えますか?これは、先ほどとまったく同じページです。この緑のレンズを通して見えるのは、ローモンド湖周辺に棲息する植物たち。さまざまな形の葉や花が、ところ狭しと描かれています。

illuminatureの青のレンズを通して見た景色

青の景色は、夜のローモンド湖です。右側に見えるのはハリネズミ、その上にはかわいらしい鳥がいますね。彼らはみな、夜行性の生き物です。青のレンズを通して見ると、夕方から夜にかけて生き生きと活動する生き物たちの姿を見ることができるのです。

そして、この絵の中で見つけた生き物についてもっと詳しく知りたければ、名前とその生態はこちらのページで解説されています。レンズを覗いてはページをめくり、解説を読んではまた絵を見る。そして夏のローモンド湖に思いを馳せる。時間はあっという間に過ぎてしまいます。

illuminatureの個々の動物の解説ページ

知らなかった世界

この本の中には、実にさまざまな地形や気候の場所が取り上げられています。そして、それぞれの地域の特色ある生き物たちが棲んでいるさまに、想像力も掻き立てられます。

そして、この本で扱われている地域を順に挙げると、コンゴの熱帯雨林、シンプソン砂漠、ローモンド湖、アンデス山脈、ウェッデル海とロス海、レッドウッドフォレスト、東シベリアの針葉樹林、セレンゲティ平原、ガンジス川盆地、アポ礁。この中で日本でもなじみのある地名といえば、アンデス、シベリア、ガンジス川、といったところでしょうか。日本の本だけを読んでいたのではなかなか目に入らない地名、出会うことのない世界。この本は、そんな知らなかった世界への扉をも開いてくれる、素敵な本なのです。

 

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